電気通信大学 情報理工学部 情報通信工学科
情報通信システム実験第二B / 電子情報システム実験第二B (2012年度後期)

実験課題「情報通信(情報セキュリティ)」

課題 1 のプログラムを作成するためのアプローチ例

C言語でプログラミングを行うのが, 2年生後学期のプログラミング演習の授業以来である場合は, 以下の練習プログラムを順番に作成してみよう.
課題 1 のRSA暗号のプログラムを作成するための方針例を以下に示す. 以下の説明を順に読み進め,作業をしてみてください.
  1. 練習プログラム
    1. 「Hello! という文字を表示させるプログラムを作成せよ」 ( ヒント prg1.c )
    2. 「整数 a と b を入力すると,和 a+b を計算し,出力するプログラムを作成せよ」 ( ヒント prg2.c )
    3. 「整数 M, e, n を入力すると,べき乗 M^e (mod n) を計算し,出力するプログラムを作成せよ」 (ヒント : 上記の prg2.c を改良し作成してみよ)
      例えば,(M,e,n)=(288,29,323) のとき,(288)^(29)=67 (mod 323)となることを確認せよ.注意:べき乗を計算する pow関数を用いたのでは,正しく計算できない.
      (上記仕様のプログラムの例: 実行ファイル prg3.out )(mac上でコンパイルしたもの)
  2. 参考プログラム
    1. 次のプログラムを説明する前に, ファイルデータの入出力と 1バイトデータの取り扱いの理解を補助する プログラム a2av4.c を示す. このプログラムは,ファイルコピーを実行する プログラム a2a.c を改編したものである.
  3. 練習プログラム
    1. 課題テキストにて説明したシフト暗号では,メッセージと暗号文の 文字はいずれも26種類で,以下のように設定した.
       メッセージ集合 {A,B,...,Z}={65,67,...,90}
       暗号文集合 {A,B,...,Z}={65,67,...,90}
       鍵集合 {0,1,...,25}
      このような仕様の参考プログラムの例として shift.c を示す.

      上記のプログラムを1バイトのデータを扱えるプログラムに改良し, 以下の仕様を満たすシフト暗号のプログラムを作成せよ. つまり, メッセージと暗号文の文字はいずれも256種類とする.
       メッセージ集合 {0,1,...,255}
       暗号文集合 {0,1,...,255}
       鍵集合 {0,1,...,255}
  4. 練習プログラム
    1. 以下の仕様を満たすRSA暗号のプログラムを作成せよ. メッセージの文字は128種類(7ビット), 暗号文の文字は n 種類( 128 <= n <=255 ) となるように,以下のように設定する. 暗号文の文字は1バイトで表現できるサイズとする.
       メッセージ集合 {0,1,...,127}
       暗号文集合 {0,1,...,n-1}
    2. 上記のプログラムにおいて,メッセージの文字として 1バイトのデータを扱えるプログラムに改良し, 以下の仕様を満たすRSA暗号のプログラムを作成せよ(課題 1 ).
       メッセージ集合 {0,1,...,255}
       暗号文集合 {0,1,...,n-1}

      具体的には,メッセージの文字は256種類(1バイト=8ビット), 暗号文の文字は n 種類( 2^8 = 256 <= n <= 2^(15)-1 ) となるようにする. 暗号文の文字は2バイトで表現できるサイズとする.
    3. 上記の仕様を満たすRSA暗号で,途中結果を表示するプログラムの例: 実行ファイル prg5RSA.out (mac上でコンパイルしたもの).

(Last update 2012/11/09) ~/mac/doc/jikken/jikken2012/web/